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中国語の勉強方法

【中国語の種類一覧】方言7つ+文字2種類の違い|結局どれを勉強すべき?

「中国語を勉強しよう」と思って調べ始めると、北京語、広東語、上海語、台湾華語、マンダリン、簡体字、繁体字……と名前が次々に出てきて、最初の一歩で止まってしまいます。

混乱する原因ははっきりしています。中国語の「種類」には、話し言葉の種類と文字の種類という、性質のまったく違う2つの軸が混ざっているからです。この2つを分けて並べると、全体像は5分で理解できます。

このページでは、話し言葉(7大方言)と文字(簡体字・繁体字)を分けて一覧にしたうえで、「自分は結局どれを勉強すればいいのか」まで答えます。

中国語の種類の全体像(話し言葉7大方言と文字2種類)
「話し言葉」と「文字」を分けると、中国語の種類は整理できます

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まず結論:中国語の種類は「話し言葉」と「文字」の2軸で決まる

先に全体像だけ押さえてください。中国語の種類は、次の2つを掛け合わせたものです。

軸種類中身
話し言葉7大方言官話(普通話)/閩語/呉語/粤語(広東語)/贛語/客家語/湘語
文字2種類簡体字(中国本土など)/繁体字(台湾・香港・マカオ)

そして、日本人が語学として学ぶ「中国語」は、ほぼ例外なく次の1つです。

普通話(標準中国語)+簡体字。中国語教室・HSK・中国語検定・市販のテキストは、断りがなければすべてこれを指します。「どの中国語を勉強するか」で悩む必要は、実はほとんどありません。

例外は、台湾を目指すなら台湾華語+繁体字、香港を目指すなら広東語+繁体字の2つだけです。詳しくは後半の目的別の選び方で解説します。

中国語の方言は7種類|話者の割合と使用地域の一覧

中国語の話し言葉は、一般に七大方言として分類されます。下の表は、2012年時点で中国国内において各言語を話す人の割合と、主な使用地域をまとめたものです。

方言/代表的な言語割合・話者数主な地域普通話と
官話(北方語)
普通話・北京語・四川語
66.2%
約9.3億人
北京・天津・東北三省・河北・河南・山東・四川・雲南・貴州・湖北ほか―
閩語(びんご)
閩南語=台湾語・福建語
6.2%
約8,700万人
福建省・台湾・海南島・東南アジアの華僑社会ほぼ通じない
呉語(ごご)
上海語・蘇州語
6.1%
約8,500万人
上海・江蘇省南部・浙江省ほぼ通じない
粤語(えつご)
広東語
4.9%
約6,900万人
広東省・香港・マカオ・海外の広東人コミュニティ通じない
贛語(かんご)
南昌語
4.0%
約5,600万人
江西省ほぼ通じない
客家語(ハッカ)3.5%
約4,900万人
中国南部の各地に点在・台湾・東南アジア通じない
湘語(しょうご)
長沙語
3.0%
約4,200万人
湖南省ほぼ通じない

割合の出典は「2012年における中国で話される言語別の人口割合」。話者数は中国本土の人口を約14億として換算した概算です。なお晋語(5.2%・約7,300万人/山西省など) は、七大方言の区分では官話に含まれますが、独立した方言区とすべきという議論もあります。

中国語7大方言の話者割合
官話(普通話のもとになった方言)だけで3分の2を占める

一覧で見ると分かるのは、官話だけで3分の2を占めていて、残り6つを全部足しても3割に届かないという偏りです。「中国語=官話(普通話)」と考えてほぼ差し支えない、というのはこの割合から来ています。

官話(普通話・北京語)|話者の3分の2

中国の公用語である普通話(プートンホア)の土台になっている方言群です。北京を中心とする華北・東北から、西の陝西・甘粛、南西の四川・雲南・貴州、江蘇・安徽の長江以北まで、中国の国土の大半をカバーしています。

教育・テレビ・公式文書はすべて普通話で行われるため、方言を話す地域の人も学校で普通話を習います。旅行でもビジネスでも、普通話が通じずに困る場面はほとんどありません。日本で「中国語を習う」と言えばこれです。

閩語(びんご)|台湾語・福建語のグループ

福建省と台湾、海南島、そして東南アジアの華僑社会で話されます。このグループに属する閩南語が、台湾でいう「台湾語(ホーロー語)」です。

ここは混同されやすいので、はっきり分けておきます。

台湾語 ≠ 台湾華語。 台湾語(=閩南語)は閩語グループの方言で、普通話とはまったく通じません。一方台湾華語は官話(普通話)系で、大陸の普通話とほぼ通じます。台湾のテレビや学校で使われているのは台湾華語のほうです。詳しくは台湾華語の勉強方法で解説しています。

呉語(ごご)|上海語が代表

上海と江蘇省南部・浙江省で話される方言群で、代表は上海語です。話者数は約8,500万人と、単体の方言としては非常に大きい部類に入ります。

発音が普通話と大きく異なるため、普通話しか知らない人が聞いてもほとんど理解できません。ただし上海は普通話が完全に通用する都市なので、上海語を学ばないと生活できないということはありません。

粤語(えつご)|広東語。香港で必須

広東省・香港・マカオ、そして世界各地の広東人コミュニティで話されます。香港映画や広東語の歌で耳にしたことがある人も多いはずです。

普通話の声調が4つなのに対し、広東語は6〜9声調あり、発音の難易度は明確に上がります。普通話とは相互に通じません。香港で暮らす・働くといった明確な目的がある場合のみ、学ぶ価値があります。

贛語(かんご)|江西省

江西省を中心に話される方言群で、代表は南昌語です。後述する客家語と近い関係にあります。単独で学習教材を見つけるのは難しく、日本語話者が学ぶ機会はまずありません。

客家語(ハッカ)|地域ではなく人に紐づく

客家(ハッカ)と呼ばれる人々が話す言葉で、特定の省ではなく中国南部の各地・台湾・東南アジアに点在しているのが特徴です。台湾では客家語も公用語の一つとして扱われています。

湘語(しょうご)|湖南省

湖南省で話される方言群で、代表は長沙語です。発音は普通話と大きく異なりますが、文法構造は比較的近いとされています。

「マンダリン」「北京語」「普通話」「華語」は何が違う?

検索していると、同じものを指しているのか違うものなのか分からない呼び名が次々に出てきます。ここで整理します。

呼び名指しているもの主に使われる場面
マンダリン(Mandarin)官話全体、または標準中国語英語圏での呼び方。「広東語(Cantonese)ではないほう」という意味で使われる
普通話(プートンホア)中国本土の標準語中国本土での正式名称
北京語厳密には北京の方言。日常では標準中国語の意味でも使う日本語での通称
国語(グオユー)台湾の標準語=台湾華語台湾での呼び方
華語(ホアユー)標準中国語シンガポール・マレーシアでの呼び方
中文(ジョンウェン)中国語全般(特に書き言葉)中国語圏で広く

つまり、マンダリン・普通話・北京語・国語・華語は、ほぼ同じものを違う立場から呼んでいるだけです。「広東語」だけが明確に別の言語だと考えてください。

厳密には北京語は「北京で話されている方言」を指し、普通話は北京語の発音を基礎にして人工的に整備された標準語なので、学術的には別物です。ただし日常会話や学習の文脈では、北京語=標準中国語という使われ方で通っています。

中国語の文字は2種類|簡体字と繁体字の違い

ここからがもう一つの軸、文字です。「中国語には2種類ある」と言われるとき、多くの場合この簡体字と繁体字を指しています。

文字使われている地域特徴
簡体字中国本土・シンガポール・マレーシア1950〜60年代に画数を減らして制定。HSK・中国語検定も簡体字
繁体字台湾・香港・マカオ簡略化される前の伝統的な字体。日本の旧字体に近い
簡体字・繁体字・日本の漢字の対応表
日本の漢字は、簡体字と繁体字のちょうど中間にあたる字が多い

並べてみると、日本の漢字は簡体字と繁体字の中間にあることが分かります。「国」のように日本と簡体字が同じ字もあれば、「語」「門」のように日本と繁体字が同じ字もあります。

どちらを勉強すべきかは、迷ったら簡体字です。教材も検定もほぼすべて簡体字で、繁体字を選ぶべきなのは台湾・香港が明確な目的地になっている場合だけです。

簡体字と繁体字の違い|対応表100字・見分け方 … 日本の漢字と並べた対応表100字、簡体字の6つの作り方、変換するときの注意点まで

北京語・広東語・台湾華語の違い

日本人が実際に選択肢として検討するのは、結局この3つです。まとめて比較します。

北京語(普通話)広東語台湾華語
分類官話粤語官話
声調の数4声6〜9声4声
文字簡体字繁体字(香港)繁体字
発音表記ピンイン粤拼など注音符号が主流
主な地域中国本土全域広東省・香港・マカオ台湾
普通話と通じるか―通じないほぼ通じる
教材の入手しやすさ非常に多い少ない少なめ

北京語(標準中国語・普通話)

標準中国語の基盤です。声調は4つで、文法は動詞の活用も時制変化もないシンプルな構造。教育・メディア・公式文書のすべてがこれで行われるため、中国全土で通じます。

広東語(粤語)

声調が6〜9つと多く、同じ発音でも声調で意味が大きく変わります。古典中国語の要素が多く残り、日常会話の語彙は普通話とかなり違います。文法は普通話とほぼ同じですが、語順や助詞の使い方に差があります。香港・マカオでは公用語の一つです。

台湾華語

台湾の公用語で、北京語をもとに台湾で発展したものです。大陸の普通話とほぼ通じます。発音は普通話より柔らかく、語彙には台湾独自の表現や日本語からの借用語が含まれます。文字は繁体字、発音表記はピンインではなく注音符号(ボポモフォ)が主流という点が、学習上の大きな違いです。

方言同士は本当に通じないのか

「通じない」と書いてきましたが、これは話し言葉に限った話です。

中国語の書き言葉は方言をまたいで共通しています。だから、広東語話者と上海語話者が口頭では会話できなくても、文字で書けば問題なく通じ合えます。中国のテレビ番組で、ドラマにもバラエティにも常に中国語字幕が入っているのはこのためです。

また現在は、方言地域の人もほぼ全員が学校で普通話を習っています。旅行や仕事で中国のどこへ行っても、普通話が通じずに困ることはまず起きません。 方言はあくまで「その土地の人同士が使う言葉」という位置づけです。

結局どの中国語を勉強すればいい?【目的別】

ここまでの内容を、目的別の答えにまとめます。

あなたの目的学ぶべき話し言葉覚えるべき文字
中国本土でのビジネス・出張・駐在普通話簡体字
中国旅行普通話簡体字
HSK・中国語検定を取りたい普通話簡体字
就職・転職で使いたい普通話簡体字
台湾に留学・移住・旅行したい台湾華語繁体字
香港で働きたい・暮らしたい広東語(+普通話)繁体字
中国のドラマ・音楽を楽しみたい普通話簡体字

大半の人にとっての答えは「普通話+簡体字」の一択です。しかも普通話を先に学んでおけば、後から台湾華語に移るのは比較的簡単です(発音体系がほぼ同じため)。逆は成り立たないので、台湾狙いでない限りは普通話から入るのが安全です。

学習の進め方は、まず発音(ピンインと声調)を固めてから単語とフレーズに進むのが定石です。

中国語のピンインの覚え方 … 最初の1か月でやるべきこと

中国語の声調の覚え方 … 四声でつまずかないために

中国語の例文200選 … ピンイン・カタカナ付きで今すぐ使える

日本人にとっての中国語の難易度 … どのくらい大変なのかの目安

台湾華語の勉強方法 … 台湾を目指す人はこちら

発音は独学でいちばん自己修正が効かない部分なので、早い段階で一度ネイティブに直してもらうのが結局は近道です。オンラインレッスンなら1回25分・200円台から試せます(→オンライン中国語レッスンおすすめ15選)。

よくある質問

Q.中国語には何種類ありますか?

話し言葉は一般に七大方言(官話・閩語・呉語・粤語・贛語・客家語・湘語)に分類されます。文字は簡体字と繁体字の2種類です。ただし方言の区分の仕方には議論があり、晋語・徽語・平話を独立させて十大方言とする立場もあります。

Q.「中国語は2種類ある」と言われるのはなぜ?

文字のことを指している場合がほとんどです。中国本土などで使われる簡体字と、台湾・香港・マカオで使われる繁体字の2種類があります。話し言葉について「2種類」と言う場合は、普通話(標準語)とそれ以外の方言、という大まかな分け方を指しています。

Q.マンダリンと広東語の違いは何ですか?

マンダリンは官話=標準中国語のことで、中国全土で通じる公用語です。広東語は粤語という別の方言グループに属し、声調の数も語彙も異なり、両者は口頭では通じ合えません。日本で「中国語」として売られている教材は、ほぼすべてマンダリンです。

Q.台湾語と台湾華語は同じものですか?

違います。台湾語(ホーロー語)は閩南語で、普通話とは通じません。台湾華語は官話系の標準語で、大陸の普通話とほぼ通じます。台湾の学校・テレビ・公式文書で使われているのは台湾華語のほうです。

Q.簡体字しか勉強していないと、台湾や香港で困りますか?

読む分にはかなり推測が効きます。対応関係に規則性があり、日本の漢字の知識も助けになるためです。ただし書くとなると別で、繁体字は画数が多く別途練習が必要です。台湾に長期で行くなら繁体字も覚えたほうが確実です。

Q.広東語や上海語を勉強する意味はありますか?

目的地が香港・広東省・上海と決まっていて、かつ現地の人と深く付き合いたい場合には意味があります。ただしどの地域でも普通話は通じるので、「まず1つ」として選ぶべきではありません。普通話を身につけてから、必要に応じて追加するのが順序として正解です。

Q.呉語・湘語・贛語の教材はありますか?

日本語で書かれた学習教材はほぼ存在しません。これらを学ぶ必要が出てくるのは、研究目的か、その地域で長期間生活する場合に限られます。

Q.方言が分かると普通話の理解も進みますか?

直接は進みません。むしろ発音体系が違うため、初学者のうちに複数を同時に学ぶと声調が混ざって混乱します。まず普通話を一定レベルまで固めるのが鉄則です。

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